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おかね推進室! おかねと人生設計のプチアドバイス

おかね推進室室長のFP新谷が、節約・貯蓄・投資等を通じて人生の軌道修正のプチアドバイスを行います。現在東南アジアはマレーシアより発信しています!

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グロソブの分配減少に対処する

数年前、一度に株を買って塩漬けにしています。おかね推進室室長の新谷です。

今回は2000年初頭に一斉を風靡したファンド、グローバルソブリンオープン(国際投信)
これについてすこし書いてみようと思います。

グローバルソブリンオープン(以下グロソブ)が世に出たのは1997年12月。
当時日本では山一證券が自主廃業、翌年には日債銀や長銀が破綻し、きな臭い雰囲気にありました。
日経平均は1989年12月の38,915円から1997年12月には15,258円まで下落。
銀行が潰れる時代に、どこにお金を置いておけばよいのか、という疑問が日本中にありました。



そんな中でグロソブは徐々にではありますが残高を増やしてゆきました。
人気の秘密は安定性と分配型、これだと思います。
各国の国債(ソブリン債)等、極めて安定した資産に投資し、
その利子を分配金で配当するという仕組です。

折りしも米国ではネットバブル崩壊を経て金利は上昇傾向。
対して日本では1999年には無担保コール翌日物金利が0.15%と事実上のゼロ金利。
日本と外国との金利差を利用したこの商品は非常に魅力的に見えたはずです。

中には小豆島のように、人口3万人強に対し、グロソブの残高が100億貯まった所もあります
http://yagi.tc/archives/2007/12/12/island-of-fund/



しかし、潮流は変わりました。
2008年のリーマンショックを経て、各国株価は大幅下落。経済停滞に伴い各国の金利も下がってきました。
米国は2007年初頭時はFFレートが5.25%、2011年2月現在は0.25%
ユーロ政策金利も2007年6月は4.00%、2011年2月現在は1.00%です。

さらに日本円は各国通貨に対して大幅に値を上げました(円高)。
2008年8月時には110円/ドルだったものが、2011年2月現在83円/ドルです(▲24.5%)
同様にユーロも2008年7月25日に170円/ユーロが、2011年2月現在112円/ユーロです(▲34.1%)

当然ファンドも影響を受けます。
金利低下は債券価格の上昇に繋がります。リーマン後の金利低下はファンド価格に対しプラス要因です。
しかし円高は外貨建て資産の評価減に繋がります。
ここ数年、円の上げが激しいために債券価格上昇の効果は殆どかき消されてしまったようです。

加えて配当原資も徐々に減少傾向にあります。
国際投信のレポート(2011年1月)もご覧下さい↓
http://www.kokusai-am.co.jp/fund/pdf/monthly2/148013.pdf

P.24を見てください。配当可能原資が徐々に減少しているのが分かります。
そもそも経費控除後の配当等収入が14円に対し現在35円分配しているのでは、財布が足らなくなるのは当然です。



さて、こんなグロソブですが、どうしたものでしょうか?
かつて5兆円を越した日本最大のファンドも2011年2月現在、2.7兆円まで減少しました。

売りが売りを呼ぶ場合、適正価格以下で売らざるを得ないのは世の常です。
とすると今後も基準価格の上昇は期待しづらい。
現に、日経ヴェリタスには毎週の投信資金流入額・流出額のトップ10を掲載していますが、
ここ半年は流出額トップはグロソブです。しかも100億単位で減少しています。
100億といったら、ファンドが1本新しく組める量の資金です。

その反面、本年は米国大統領選の前年。米国をはじめ各国の景気回復も鮮明になりそうです。
ということは円安にも振れて来そうなんです。そうなれば基準価格は上昇します。

僕もグロソブホルダーです。僕ならばこうしようと思います。
・向こう5年程度はナンピン買いを続けるorドルコストで買い付け続ける。徹底的に平均単価を下げる。
・分配金を受取りつつ、円安地合の影響で利がのってきたら売却。

小さいファンドの場合、残高が少なくなると突然償還されてしまうことがあります。
グロソブは図体も大きいのでまず償還することはないと思います。
長期投資家は”分けて購入”・”長く保有”、これでマーケットに立ち向かいたいところです。

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日本の国債格付け引き下げへの対処

年度末が近づくといつも転勤の恐怖におびえます。
おかね推進室室長の新谷です。

先般もS&Pが日本国債の格下げを発表しました。
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/110127/fnc11012717370114-n1.htm

これに際して、おかね推進室としてひとつご提言させて頂きたいと思います。
ずばり、そろそろ円資産をショート(売却)しましょう!
ということです。


理由の一つは、財政破綻の危険が今後益々増えてゆく可能性が強いからです。

もちろん今すぐにというわけではないのは、識者達が語るところです。
http://www.bk.mufg.jp/report/ecoinf2010/No201002.pdf

IMF専務理事篠原氏の同様の意見です。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-19464420110209

日経ヴェリタス2/11号にも国家財政の破綻シナリオが掲載されています
”もう「疎い」とは言わせない日本国債大百科”

リンク等張っていませんが、国債の状況について詳しく書いています。印象的なのは発行高の95%が国内投資家が保有するという話。保有者が多様であれば逆に国家財政の行き過ぎにブレーキがかかったかもしれませんが、国内投資家はホームカントリーバイアスが入っているのか皆さん安心して持たれているようです。

高齢者中心に保有者がおおい国債ですが、僕ら世代なら満期が来たら続けて買うでしょうか?
継続しない人たちが増えてきたとき、大幅なインフレ・円安に陥る可能性がある気がします。

皆が言うから、識者がいうから、というわけでは有りませんが、
少なくとも”国が借用人だから安心”ひいては”円資産は安心”、
こんな考えにはクエスチョンマークをつけておくべきだと思います。


・・・・
もう一つの理由は、公的保障(年金・健康保険)もまた収支状況の悪化が進んでいるからです。

厚生労働省発表:国民健康保険の財政状況
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000011vw8.html

保険料収入は少しずつ下落している模様です。
また、一般会計繰入金も増加しています。
これはまさに保険料収入だけではこの健康保険事業が賄い切れないことの証左です。

さらに、国民年金も楽ではありません:財政状況の見通し
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/nenkin/nenkin/zaisei-kensyo/index.html

所得代替率(現在の所得に対する給付年金額の割合)は最終的には50%程度に落ち着くという話です。
つまり、現役世代の半分で暮らしてゆけ、と。
そんな年金に誰が納めるのかというモラルハザードも心配です。


こうした財政状況については今までも良くTV等で報道されており、
かつどれにも解決策が打たれないままでした。

今すぐではありませんが、
国家財政のみならず・社会保障関連の諸制度も制度疲労を起こしているわけです。

保険の大原則の収支相当の原則から外れ、
一般会計などの下駄で何とかバランスを保っている状況です。


・・・・
仮に何かが引き金になって財政破綻が起こったら、手持ちの債券・株式は大暴落するでしょう。
プロならばこうした事態でもマーケットの大きな変動を利用してここで相場を張ることもできるかもしれません。

しかし、我々素人の仕事は”投資”では有りません。
急激な変化に対しては事前からの準備で対応するのが良策かと思います。

将来のことは誰にもわかりませんが、変化に対応できるようにすることが肝要かと思います。

その手始めとして国債・円建て債券を売却し、外貨建て資産を保有するのは悪くない考えだと思います。徐々にでもはじめるといいと思います。杞憂なら杞憂で、外国の成長を投資を通じて享受できるわけですから。

皆さんはどう思われますか?


積立投資(ドルコスト法)に最適な投資対象とは?

節分を機にマメな人間になりたいです。
おかね推進室新谷です。

今回はまたまたドルコスト法(積立投資)のお話です。


これまで何度かドルコストについてオススメして来ました。
国内株式に投資してみる:ドルコスト法を使う (http://fparatani.blog.shinobi.jp/Entry/40/)

一括で買い付ける方法は当たれば大きいのですがリスクが高い。
しかし我々は素人。
おかね推進室では、将来を予見するよりも不可知論者で行こうというスタンスでした。


そんなドルコストですが、2011年1/24(月)日経新聞の夕刊に面白い記事がありました。
『検証、積立投資の成績 投信選びの目安に』
これを読むと、どのようなタイプの投信がドルコストに向いているのかが分かります。


記事では、一定条件に合致する投資信託446本を3年間積立投資をしたときのパフォーマンスを検証しています。

結論からすると、
成績が上位に並ぶのは新興国関連や資源関連の投信で、
成績が下位に並ぶのは先進国の債券で運用するものだったのです。
(投信も一括投資をするよりも成績はよいようですね)


この結果は言い換えれば、
ボラティリティが高いものこそドルコストの威力が発揮できるということになります。

先進国の債券に投資する投信は値動きが少ない分、
一括して買おうが分割して買おうが買付値段に大きな違いが出ません。

他方先進国は値上がり値下がりが激しいので、
リーマンショック前後からこつこつ買っていれば、買付単価は低くなり、
2011年前後の上げ相場では利益を含むことになります。

もちろん、これは検証時期によっては違う結果もでると思います。
仮に3年続く上げ相場で検証すれば、始めに一括で買ったほうがドルコストで買うよりも儲かります。
そのほか、ドルコスト神話に対する反論を山崎氏が記述しています。
→ http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/trend/yamazaki/at_ya_08022201.htm


・・・・
結論からいうと、個人のリスク許容度・持っているお金や時間によって
どの投資の仕方が最適かは異なるとは思います(こういうと身もふたもありませんが)。

おかね推進室で念頭にあるのは、
老後ためのまとまった生活資金・子どもの大学進学費用、
このあたりのお金を15年程度かけてこつこつ増やしてゆこうと考えています。

その点からすると、ボラの高い商品をドルコストで買い付けるのも有効かと思います。
この話は投信でなくても株や通貨でも同じですよね。

ご自身の投資のご参考にしていただければ幸いです。